松尾芭蕉の正体に迫る

年末年始はテー松尾芭蕉像マとしている「松尾芭蕉」を知る旅となった。生まれた伊賀上野市を訪ね(31日)、元旦の奈良探訪(東大寺、興福寺、春日神社、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡など)に続いて、没した大阪、墓のある義仲寺(滋賀県、いずれも2日)へ。昨年は江戸の本所深川と『奥の細道』のルートである宮城、山形県の一部を訪ねているので、少しずつ芭蕉のプロフィールのようなものが身近に感じられるようになってきた。
それにしても、この有名人の足跡を地元に記そうというのか、各地にやたらと句碑がある。もちろん碑に書かれた句がすらすらと読めるわけでもなく、ましてやその意味もテキトーに解釈しているレベルなのだが、やっぱり気になる。
これまで何冊か目を通したが、旅の前に読んだ『芭蕉めざめる』(光田和伸、青草書房、2008年)は、芭蕉の正体が「隠密」であったという推論を分かりやすく解説していて大変面白かった。忍者の里である伊賀上野ならばスパイ説があることは聞いていたが、本にあるように『奥の細道』を共に旅した曽良が上級諜報員で芭蕉はそのガード役だった、には、えっ!と驚いてしまった。
出生から江戸へ出て行く過程や周囲の人間関係、『奥の細道』の旅程で仙台の伊達藩を素通りしていること(松島をうたった「松島や ああ松島や 松島や」は後の創作)など、どこを切り取っても芭蕉は怪しい俳人である。もちろん訪れた場所では、そんな証拠は目にしなかったが…。
ー月日は百代の過客にして、行きかふ年も又旅人也。
さて、『奥の細道』走破のための次の旅の準備を始めよう。
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