立山から望む富山平野と雷鳥沢での一夜
学生時代に「女子がたくさんいるキャンプに行こう!」と友人にだまされて奥秩父の金峰山(2,599 m)に連れていかれ、死ぬ思いをしたことから登山に興味を失っていた。だが、このところ尾瀬(5年前)、上高地(2年前)と高い場所に出掛けたことから今回は立山を目指した。
立山アルペンルートの黒部ダムを経由して室堂平(標高2450m)に着くと登山計画書を提出。「徒歩45分」の雷鳥沢のキャンプ場に泊まり、翌日3003mの雄山登山しようと意気込んでいた。
だが、悲しいことに、にわか登山者には室堂平から事前宿泊する雷鳥沢までの下り坂がきつく、翌日の行程を考えて早々に戦意喪失。まだ昼前なのにキャンプ場手前にあるロッジ立山連峰の露天風呂へ避難した。そこで大はしゃぎし硫黄の香りがぷんぷんする湯に気分を取り直してキャンプ場へ。そこでテントを張って酒を飲み始めたが、途端に雨が降り始めた。アマゾンで買った安物のテントに雨水が染みるわ、エアマットの空気は抜けるわ…。
バチが当たったかと思ったのだが、雨は2時間ほどで止んでくれ、夕暮れ迫る立山の景色ときれいな星空を見せてくれた。夜間は9℃まで下がり寒さのためにほとんど眠れなかったが気にしないことにした。
富山市や氷見市から何度も立山連峰を見たことはあるが、そこに自分がやってこようとは思ってもいなかった。室堂から富山平野が見渡せることも初めて知った。翌朝早々に2時間かけて室堂平までなんとか生還できた。待ってろ、雄山、次は征服してやるから。NHKラジオ「石丸謙二郎の山カフェ」を聴くとそう思う。