11年ぶり首位奪還「麒麟がきた!」
キリンビールが2020年のビール市場シェアで、アサヒビールを抜きトップに立ったことが明らかになった。通年の首位奪還は09年以来、11年ぶり。大河ドラマ「麒麟がくる」は未来形のままで終わったが、首位奪還は完了形である。広島市新天地の中央通り沿いには「KIRIN BEER」の大きなアーチがあり、後塵を拝したアサヒビール館が後ろにかすむ。
キリンビールの瓶は、なで肩でコカ・コーラの瓶に劣らず美的である。大瓶の容量633mlは「小中高6・3・3の学制の意味があり、高校を卒業したころに味が分かる」と聞いたことがある…。
学生時代にアルバイトをしていた新宿のレストランで年配のアメリカ人客がよく「クゥリンビール、アリマスカ?」と尋ねてきた。駐留軍時代に味わった味が忘れられないという。現在も「一番搾り」「本麒麟」で快走し、「秋味」「ハートランドビール」もあるキリンビールは日本を代表するブランドである。
麒麟とは「仁政を行う王の元に現れるとされる伝説の動物」が由来であり、戦争のない平和な世界を切望する広島には似合う。かつてあったキリンビール広島工場(府中町)を取材し、数多くの酵母の中から商品化するものを厳選している様子を見せてもらったことも思い出した。
参考記事:キリンが11年ぶりビール首位奪還、没落アサヒに残された「大逆転シナリオ」(ダイヤモンドhttps://diamond.jp/articles/-/259596)