佐賀藩の三重津海軍所跡に学ぶ
昨夏に訪れた佐賀市にある佐賀藩のあれこれのうち、漏れていた三重津海軍所跡に出かけた。
佐賀駅からバスの便が悪く、レンタサイクルで片道50分。大隈重信記念館のそばを通って進み、早津江川沿いに三重津海軍所跡があった。幕末期に佐賀藩が設置した海軍施設で、日本最古の実用的な蒸気船「凌風丸」の建造や、西洋式造船技術が導入された。オランダから学んだ最新技術を活用し、西洋式軍艦の修理・建造が行われ、幕府海軍の発展にも寄与した。三重津海軍所跡は、ユネスコ世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の一部として登録されている。
遺跡となっている場所にはドライドックなどの跡があり、そばにある「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」には詳細な説明、展示があり、映像で分かりやすく解説していた。この場所に海軍所ができたのは有明海の干満の差が大きいことが理由であることにも納得した。
佐野常民は日本赤十字社の創始者であり、案内の女性に「テレビドラマ『ザ・トラベルナース』にでてきますよね」と話しかけたら、少しウケた。
三重津海軍所跡 佐賀市ホームページ
https://www.city.saga.lg.jp/main/3852.html
昨夏に見学した佐賀城も非常に印象深かった。佐賀城本丸歴史館として公開されており、藩政の中心であった本丸御殿の一部が復元されている。第十代藩主・鍋島直正は洋学を積極的に取り入れ、藩校弘道館を通じて多くの人材を育成した。
西洋砲術、化学&物理学の研究、反射炉を用いた鉄製大砲の鋳造などのほか、産業や教育でも大きな貢献をした。鍋島直正公とは肩を組んでバーチャルの記念写真を撮ったので、より親近感を持った次第。
生成AIの出現でイノベーションの世界はさらに混沌としてきたが、佐賀藩のような先進性を知ることが「温故知新」になると思っている。諸君、佐賀へ行こう!