厚生労働省の実像が分かる日比野守男氏の新著
元東京新聞・中日新聞論説委員でジャーナリストの日比野守男氏の新著『「鳥の目」と「虫の目」で追った厚生労働行政―ジャーナリストの視点から―』(B6判、ブイツーソリューション)が面白い。
新型コロナウイルス感染症の問題で渦中の厚生労働省は、予算規模が国家予算の3分の1を占めるわが国最大の中央官庁であり、国民は誕生から最期までお世話になっている。日比野氏は、長年目にしてきたその官僚たちの“役所の理論”も含めて厚労行政やその周辺をリアルに書いた。最近まで十数年間、医療情報誌などに連載したものをまとめている。現在では希少となった新聞記者魂がぷんぷんしてくる鋭い視点がある。鳥の目はタカの目、虫の目はスズメバチの目じゃないだろうか。
本書を読んで、記者会見でにやけていた厚生労働省の担当者の顔、国民を信頼していないかのような不十分な情報提供など、厚生労働省が非難される理由が分かってくる。日比野氏には、ぜひともテレビのワイドショーなどでも、がんがん叫んでいただきたい。