静岡おでんは予想以上に美味であった

連載「沿岸を歩く」で4年前に取材した静岡県では、静岡おでんを食べることができなかった。その心残りは癒されなかったので、再訪しておでん街の「青葉横丁」の入り口にある三河屋に飛び込んだ。満席のため30分ほど待って席につくと、真っ黒いスープに浸かった黒はんぺんやスジ、卵などを注文した。黒はんぺんは柔らかくざらざらした舌触り、魚の風味が絶妙。日本酒がよく合う。地元の客の真似をして「赤星」と呼ぶサッポロの瓶ビール(赤いのラベル)、静岡割り(緑茶で割った焼酎)を注文。両隣は、おおらかな静岡県人の同い年だったので昭和談議で大いに盛り上がった。

次の日から取材では確かめることができなかった清水から西へ日本平、久能山東照宮、駿府城、浜松城、三方ヶ原古戦場などを訪ね、浜松のギョーザも味わった。旅行4日目の朝には美保の松原から富士山の絶景を拝むことができた。学生時代には新幹線でうなぎ弁当とワサビ漬けの車内販売くらいしか縁がなかったのに、年齢を重ねて静岡愛が濃くなっていく。

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