なぜ今、環境CSRなのか
地球環境問題が深刻化する中、企業のCSR(Coporate Social Resposibility)が大きな意味を持ってきた。環境問題は複雑で、緊急かつ柔軟な対応が求められる十分な機能を果たせなくなった行政セクターに代わる主役として期待されている。参考となる資料は―。

農業とCSR…日本自然保護協会「自然保護」2008年7・8月号の特集で山口型放牧が紹介された。
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環境CSRについて詳しい書籍
環境CSR宣言企業とNGO』日本経済団体連合会自然保護協議会【編】同文舘出版 (2008/11/20 出版)

企業と協働で環境保護を続けている環境保護団体「アースウォッチ」の活動は大変参考になる。
EarthWatch
世界各地で行われている野外調査プロジェクトに対して、ボランティアを募って「資金と人手」の両面で支援している国際NGO「アースウォッチ」は、特別な技術を持たない一般市民がボランタリーで(自発的に)野外調査に参加する。年間100を越えるプログラム、200人の国際的研究者と連携しつつ4000人以上のボランティアを動員している。
1971年、アメリカ・ボストンで誕生し、1993年、アースウォッチ・ジャパンがアメリカ、イギリス、オーストラリアに次ぐ4番目の拠点として発足。2003年2月には特定非営利活動法人の承認を得た。
アースウォッチの趣旨に賛同する多くの個人、企業、団体の支援を受けて、世界各地で展開される第一線の野外調査プロジェクトの数々を成功を修めている。
アースウォッチは、自然環境や人類の文化遺産の保全に要する資金、資材、人材などの資源の確保は、私企業の積極的な関与によってのみ可能であると考えている。そのために法人や企業に対してアースウォッチの活動への支援を請願し、私企業とのパートナーシップの強化、互恵的かつ継続的な協力関係の構築を目指している。
近年の経済活動は、世界規模でさまざまに変動している。バランスの取れた持続的な企業の発展を目指すならば、エコロジカルそしてグローバルな企業戦略が21世紀に生き残るためには必須とされる。主なメリットは次の通り。
1) 企業イメージの向上
・地球環境問題への熱心な取り組み
・グローバルな社会貢献の実践
・社員によるボランティア活動
・自然環境への負荷低減を目指す企業
・企業の社会的責任(CSR)を果たす企業としての認知

2) 地域環境問題の具体的把握
・地域環境汚染の要因の発見
・企業活動がもたらす環境汚染の実情
・世界各地の地域住民の生活実態と環境保全への影響
・人類の生存活動と生態系の変化

3) 企業戦略決定の一助
・消費者から信頼される商品、サービスの理解
・省資源、省エネルギー、リサイクル問題を考慮した企業活動
・事業拡大、新規事業へのヒント
・国際問題を意識したグローバルな視点

4) 次世代を担う社員の教育
・科学的探査の実践経験
・異国人、異人種との共同生活や異文化との触れ合い
・眞の国際交流の実践と実感
・企画力、行動力の向上
・リーダーシップの育成
・環境問題の正しい認識
・次世代に対する責任感

5) 社員のリフレッシュ
・日常業務とはかけ離れた作業への参加
・通常行くことの出来ない国、地域での生活と住民との交流
・自身の才能を再発見する楽しみ
・国籍、言語、年齢、職業、文化などを異にするボランティアとの触れ合い
・与えられた作業を達成する満足感
・新しいものの見方、考え方の習得

<主な賛同企業>ニコン、キヤノン、JAL、ホンダ、 HSBC、三菱商事、花王、三井住友海上、UBS
(アースウォッチ・ジャパンHPから引用)