海の恵み・人々の暮らしを知る

銚子マグロせり連載「日本の沿岸を歩く 海幸と人と環境と」を掲載しているのは地球・人間環境フォーラムの月刊環境情報誌「グローバルネット」。海は漁業・水産業だけでなく、歴史や文化、自然環境など膨大な情報があり、それらを分かりやすく伝えるのが狙いだ。
スタート時のコンセプトは「全国の沿岸を訪ねて、水産漁業を軸にして海の恵みに生きる人々の姿や地域の課題などを紹介する」。海辺を歩き、潮風に吹かれながら、そこに暮らす人々から話を聞くのは刺激的で楽しい。

記事には出てこないが、情報収集や取材先の選定などで各都道府県庁の漁業担当者に助言をいただいている。従って記事の正確さや情報のバランスについては品質を確保できていると思う。
訪問先の「今」を紹介し、読んだ人が「同じ場所を自分も訪ねたい」と思ってくれたら至上の喜びだ。記事には記事の内容と関連付けた歌(主に歌謡曲)をアクセントに織り込んでいる。

グローバルネット本誌の「沿岸を歩く」の体裁はA4 2ページ。写真3枚。
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♡記事に関連&連想される音楽を紹介⇒ 沿岸を歩く…いい曲と一緒に

 

愛媛県から開始 各地を取材中

最初の愛媛県西部以降、1回の取材旅行で連載3回~7回分を執筆する。取材に必要な日数と現地までの往復で全体の日程が決まる。
当初は1日2回分の取材だったが、次第に時間が増えて現在は1回分にほぼ1日を費やす。
2017年4月号以降、全体目標の4分の3程度を訪ねた(2025年5月現在)。遠隔地である北海道は既にすべてを取材し終えた。

これまでの発表記事(キーワード)

★山陰道2025年2月-
095 京都府 定置網とカニ漁 096 兵庫県但馬 『松葉ガニ』選別 097 鳥取県賀露 カニ観光戦略 098 鳥取県境港 ゲゲゲの最新衛生管理

★新潟県2024年10月ー12月号
091 村上 三面川のサケ 092 新潟 日本海の魚と『すし王国』 093 佐渡 イカ釣りと金山

★香川県・愛媛県東部2024年6月ー8月号
087 引田 世界初ハマチ養殖 088 琴平 海の聖地・金刀比羅宮 089 西条・新居浜 干潟と別子銅山 090 今治 来島海峡周辺

★北海道西部2024年1月ー5月号
082 積丹 サクラマスの神秘 083 松前 松前漬けを生んだ歴史 084 函館 函館真昆布ブランド 085 噴火湾 ホタテ養殖 086 苫小牧 日本一のホッキガイ

★鹿児島県大隅半島・宮崎県2023年8月ー12月号
077 垂水 カンパチと錦江湾 078 内之浦 定置網漁を省力化 079 日南 マグロ豊漁の記憶 080 宮崎 観光の魅力 081 延岡ひむか本サバ

★和歌山県2023年4月ー7月号
073 太地 古式捕鯨の伝統 074 田辺 天神崎ナショナルトラスト 075 有田・湯浅 タチウオ漁 076 紀の川 天然遡上のアユ急増

★青森県2023年1月ー3月号
070 大間 マグロの町 071 平内 陸奥湾のホタテ 072 八戸 漁港の復権

★岩手県2022年10月ー12月号
067 釜石 さかなの町の震災復興 068 重茂 天恵戒驕の教え 069 久慈 北三陸のウニ

★愛知県2022年7月ー9月号
064 常滑 高級『鬼崎のり』 065 南知多町 豊浜の底引き・船引き網 066  渥美半島 日本一のアサリ産地

★広島県2022年4月ー6月号
061 廿日市 『地御前かき』 062 江田島 いりこ&ちりめん作り 063 尾道/福山 魚の直販&浜売り

★北海道北部2021年10月ー2022年3月号
055 網走 『網走川流域の会』 056 枝幸 毛ガニとホタテガイ 057 天塩 北限のシジミ 058 羽幌 甘エビ 059 石狩 流域と自然の恵み 060 小樽 ニシン漁と商港発展

★大分県2021年7月ー9月号
052 佐伯 『かぼすブリ』 053 佐賀関 『関あじ関さば』 054 杵築 カブトガニとカキ

★東京湾2021年1月ー6月号
046 羽田 ジジミ漁 047 横浜子安浜 自由漁業のアナゴ漁 048 横須賀 多彩で豊かな漁獲 049 館山 イワシの生き餌をカツオ一本釣りへ 050 木更津 盤州干潟のアサリ・ノリ 051 三番瀬 『野鳥の楽園』

★福井県2020年10月ー12月号
043小浜 鯖街道の歴史 044 越前町 『越前がに』 045 三国町 歴史ある港町

★岡山県2020年7月ー9月号
040 備前 日生の海の絶品カキ 041 下津井 瀬戸の美味なタコ 042笠岡 生き残ったカブトガニ

★沖縄県20204月ー6月号
037 宜野座 クルマエビ養殖場 038 恩納村・うるま市 モズク 039 糸満 海人のソデイカ漁

★高知県2020年1月ー3月号
034 宿毛湾 黒潮実感センター 035 土佐清水 宗田節とジョン万次郎 036 佐賀 カツオのたたき

★富山県2019年10月ー12月号
031  魚津&滑川 深層水でコンブ養殖 032 氷見 富山湾の寒ブリ漁 033 新湊 『富山湾の宝石』シロエビ」

★神奈川県2019年7月ー9月号
028 小田原 地魚の加工品 029 鎌倉 湘南の海で生きる漁業者 030 三崎 マグロは観光資源

★鹿児島県2019年4月ー6月号
025 枕崎 遠洋カツオ一本釣り 026 串木野 遠洋マグロはえ縄漁 027 出水 エビもノリも最高級

★北海道東部2018年10月ー2019年3月号
019 襟裳岬 不毛の地を緑化 020 十勝川 命をつなぐシシャモ 021 羅臼 知床の自然資源 022 歯舞 ブランド化と観光連携 023 厚岸 カキ復活に豪州技術 024 釧路 漁港町の地元愛

★静岡県2018年7月ー9月号
016 浜名湖 ウナギ養殖 017 焼津 日本一の遠洋漁業基地 018 御前崎 アカウミガメが来る海」

★山口県2018年4月-6月号
013 下関 フグと明治維新 014 長門 金子みすゞの記憶 015 萩しーまーと 地産地消を貫く

★千葉県東部2018年1月-3月号
010 銚子漁港 食堂『万祝』 011 九十九里浜  歴史あるイワシ漁 012 勝浦 400年以上続く朝市

★長崎県西部2017年10月-12月号
007 かんぼこ王国 全国ブランド目指す 008 平戸漁業体験 定置網の水揚げ 009 九十九島のいりこ 変動する漁獲

★青森県津軽2017年7月-9月号
004 十三湖 シジミの資源管理 005 深浦 マグロの資源管理 006 鯵ヶ沢 ヒラメのヅケ丼

★愛媛県西部2017年4月-6月号
001 宇和島 タイの養殖風景 002 八幡浜 日本初の魚肉ソーセージ 003 下灘 ハモの漁獲増

記事の発表

地球・人間環境フォーラムの月刊環境情報誌「グローバルネット」に連載。同じ内容の記事がWEBで公開されている。
グローバルネット⇒ 吉田光宏の記事一覧 

アマゾンでは、Kindle(電子書籍)のほかオンデマンド本の2冊を出版済み。

Amazon 日本の沿岸を歩く (全10巻)

詳細は⇒「出版」

 

取材旅はリーズナブルに

取材地へのアプローチは「最も安い方法で、かつ、旅を最も楽しめる方法で」がモットー。よく使う青春18きっぷはとにかくリーズナブル(1日当たり2410円)。乗車時間が短いほど料金が高くなる鉄道料金に矛盾を感じる人は少ないだろうが、逆転の発想をすれば、乗車時間が長いのに料金が安い、というのはお得感しかない。冷暖房もトイレもあるので、オフィス代わりと思えばよい。乗っている間は、読書をしたり、調べ物をしたりすることが多い。飲み鉄もできる。たまに他の客と話すこともあるが、一人で過ごすことがほとんどなので車窓から流れる山や海、田んぼ、家々を眺めながめるのが好きだ。その一つ一つに人々の日常生活があることを思いんがら旅情に浸るのである。

鉄道のほか、長距離バス、飛行機、船、タクシー、自転車、徒歩…など状況に応じて選択する。飛行機は早めに予約するほどと安くなる。LCCのPeachも使う。周遊券で回ることもある。取材地ではレンタカーを使うことが多い。北海道では夏は午前3時ごろから空が白み始めるので、貴重な取材時間となる。必然的に車中泊となることが多いのだが、最近はどこにでかけても車中泊派が多くなった。時間とお金があれば無理をすることもないが、車中泊で浮かせた金でおいしものを食べたい!

南さつま海道の標識

南さつま海道の標識

現在の旅のスタイルの原点は、学生時代のアメリカ合衆国の周遊バスの旅だろう。グレイハウンドに乗り放題アメリパスで、西海岸LAから3日かけて大陸横断しNYへ、さらにナイヤガラ(カナダ)、DC、フロリダ、ニューオリンズ、デンバー、シアトル、SF、LA、おまけにハワイでストップオーバー。1カ月のチケットで十分すぎるほどの「元をとった」成功体験がある。高校生時代にバイクで中国山地を縦断して出雲大社、美保関、弓ヶ浜を巡ったのが元なのかも知れない。

昔「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く?」というスローガンがあった。
これは旅行にも通じることだと思う。中でもJRはビジネス利用を優先し、旅の楽しさを置いてきぼりにしてきた。新幹線だって昔は2階建て食堂車があったし、映画を観れる車両もあった。目先の効率、利益に目がくらみ、地方のローカル線は赤字だからと次々に廃線にしている。安全確保は当然としても、収益を改善する努力をしているようには見えない。一方で、国鉄時代の日の丸親方の気質は健在で「乗せてやる」という態度が見え隠れする。私鉄の小田急ロマンスカーや長野電鉄に乗った学生時代、その接客サービスが本来あるべき姿だと思った。

大学生など若い世代が日本各地を安く旅して大人になっていくために、18きっぷは残してもらいたい。そんな願いも空しく、昨年暮れに制度改悪(5日連続使用)してしまった。大垣-東京間の夜行快速「ムーンライトながら」同様に、今後廃止されるかもしれない。バカ野郎~!

青春18きっぷ研究所 ⇒  https://seisyun.tabiris.com/

 

旅のエピソード

2018年 北海道取材を終えて、東京まで戻ってきたが、広島行き夜行バスが西日本豪雨のため運休に。大阪までの夜行バスに変更し、大阪から広島まで新幹線を利用。バスもJR在来線も運休になったが新幹線だけが運行をしていた。途中の被害状況を目撃しながら、広島にたどり着いた。

2022年 福山取材でノリ養殖の海域を撮影するため、高い場所を求めて集落の中を走っていた。ところが「この先通行不可」の標識を見逃したため、どん詰まりの道に入り込んで動けなくなった。よくあることなのか、近くの民家の意地の悪そうなおばはんはそらみたことかと、罵詈雑言の嵐。一方で親切な男性が出てきてバックで引き返すのを親身になって誘導してくれた。おかげで脱出することができた。レンタカーを返却したときに確認すると、かすり傷だと思っていたボディーに深手の傷が…。その場で修理代2万円余を支払った。アメリカでバックで見えなかった低いポールにぶつけて8万円を払った悪夢が再び…。

2024年 新潟取材を終えて、糸魚川から富山経由で18切符を使って高山線の旅。取材を終えた安ど感から飲んだ地酒が効いて、途中の高山駅で乗り換え電車に乗り遅れた。電車は出てゆく、トイレは臭い…。広島にその日のうちに帰るには岐阜まで特急列車を利用するしかなく、JR東海に儲けさせてしまった。